薩摩流?謝り方

木戸はかつて薩摩藩長州藩に対していかに肚黒い裏切りをなしたかということを、顔色を青黒くさせつつしつこく西郷に言いつづけた。その執拗さは、そばにいた者を不愉快にさせてしまうほどだったが、西郷は怒らず、まるで柿泥棒でもして近所の口やかましい老人から説諭されている子供のようにうなだれ、終始木戸の話をきき、

「いちいち、ごもっともなこっごわす」

と、一言の弁解もしなかった。  

翔ぶが如く〈1〉 (文春文庫)

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